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(9)兵水式魚類人工乾燥機

1960(昭和35)年3月、県水試が設計・指導し、全国的にも優秀とみられていた「兵水式人工乾燥機」に関する研究会が設立された。会の設立は、兵水式人工乾燥機の成果が知られるようになり、その技術を身に着けたいとの要望が高まったことによるものであった。芦屋市海技専門学院において人工乾燥機についての講習を終了した後に、「魚類人工乾燥研究会」の設立総会が開催された(拓水44号)。

1962(昭和37)年2月発行の拓水66号に、全国の水産加工品を一堂に集め、製品技術の向上ならびに消費宣伝を行う第28回全国水産品評即売会の開催についての紹介があった。主催は、神戸市水産協議会で、水産庁・兵庫県・神戸市・神戸商工会議所が後援し、神戸三越で同年3月10~15日に開催された。出品者は、全国の水産製品生産者ならびにその団体及びその取扱業者であった。出品の範囲は、魚介藻類干製品及び塩蔵品、鯨製品、練製品、調味加工品、つくだ煮、びんかん詰、冷凍品、こんぶ加工品、かつお削節類、くん製品、水産物貿易品、さんご、真珠、べっ甲、鯨骨加工品、その他水産特産品と幅広かった。

1963(昭和38)年8月発行の拓水84号に、兵水式魚類人工乾燥機が完成したニュースが掲載された。同年8月下旬に完成した乾燥機は、人工乾燥機シボレックス機体第一号(香住町若松)、新型乾燥機単一型吸引式(価格は従来の約1/2、香住町下ノ浜)、兵水式34型機3台(香住町香住)の5台であった。

1964(昭和39)年9月発行の拓水96号に、建設中の兵水式魚類人工乾燥機が紹介された。柴山港(1基建設中・2基建設準備中)および香住町(4基建設中)の2地区で、完成は同年8月末から9月の予定であった。

1965(昭和40)年2月発行の拓水101号には、同年2月に設置予定の兵水式魚類人工乾燥機、兵水式34型乾燥機香住型(香住町で2基)、兵水式L型乾燥機(香住町)が紹介された。

1967(昭和42)年6月15、16日の2日間、関係者108名が参加して、兵水式魚類人工乾燥協会の第8回全国大会が、塩田温泉(夢前町)で開催された。同協会は、兵水式魚類乾燥機の利用者を中心に構成され、役員は加工事業を行う漁協の組合長、水産加工業者の代表者らで構成された。大会は、午前中に兵庫県水試場長、姫路中央卸売市場長と荷受代表が挨拶をして開会、議事審議・役員改選・大会決議が行われた。午後からは講演会、兵庫県水試による説明会などが開催された。2日目は午前4時30分から姫路中央卸売市場の視察、塩田温泉に戻って表彰式・講演会、会員による加工技術の披露が行われ、その後散会した(拓水130号)。

1968(昭和43)年6月発行の拓水141号に、昭和43年度兵水式魚類人工乾燥協会年会の開催案内が掲載された。この年会は、1960(昭和35)年に初めて開催され、「水産加工の経営と技術の在り方」について、各界の権威から研修を受け、活発な質疑・応答が行われてきた。今回は、水産加工食品の体質改善をテーマに、1968(昭和43)年6月15、16日の2日間、京都で開催される運びとなった。

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