検索
メニュー

トピックス検索(漁業のあゆみ) topics

(40)直販事業

1991(平成3)年3月、兵庫県下初の本格的な漁協直販所としてオープンした、津居山港漁協「フィッシャーマンズ・ビレッジ」が、その後も順調に成果をあげた。この施設は、国の漁村地域活性化特別対策事業の適用を受け、冬期はズワイガニ、夏期にはスルメイカ等の活・鮮魚を中心に、加工品や地域特産品を販売した。小売直売店として徹底した接客サービスを心掛け、漁業者と消費者の交流のパイプ役を果たした。オープン時には地元テレビ局の番組で紹介され、チラシ広告も効果をあげ、姫路・神戸からの固定客も現れた。開店3ヵ月間の売り上げは、約4,500万円であった(拓水416号)。

フィッシャーマンズビレッジオープン:JF津居山港(現JF但馬津居山支所)
▲フィッシャーマンズビレッジオープン:JF津居山港(現JF但馬津居山支所)

1995(平成7)年10月発行の拓水468号に、西淡町丸山漁港に同年夏にオープンした海鮮市場「魚彩館」の紹介がある。この施設は、活魚料理発祥の地といわれる西淡町が町営の生産物直売所として建設したもので、運営は丸山漁協に委託された。水量4tの活魚水槽には天然物のマダイ・タコなどが泳ぎ、加工品や地元のみやげ物なども並ぶ。「魚彩館」の目前には、周囲約250mの弁天島を中心とした「町立海釣り公園」が整備された。

1999(平成11)年4月発行の拓水510号には、育波浦漁協荷捌所で1998(平成10)年から始まった「日曜朝市」が紹介された。1998年に開通した神戸淡路鳴門自動車道のなかで、淡路西浦地区に唯一設けられた北淡インターチェンジがある育波浦周辺には、週末ともなると観光バスや県外ナンバーの自家用車があわただしく行き交うようになった。この活況を浜にも取り込みたいと、地元育波浦漁協が中心となって「日曜朝市」が企画された。朝市には、新鮮な魚介類や水産加工品はもとより、地元で栽培された野菜や花き等が並んだ。

2000(平成12)年1月、「南淡町漁協直売所」が南淡町灘土生はぶ漁港前にオープンした。この施設は「南淡町中山間地域活性化事業」の一環として、地元で水揚された新鮮な魚を、観光客はもちろん地元の消費者にも供給する目的で設けられた。海産物の他にも、地元で生産されたミカン、キク、スイセンや漁協婦人部がつくった干物・タコの天ぷらなども販売した(拓水521号)。

2000(平成12)年3月、神戸市漁協の新直売所が竣工した。この直売所は、組合員の漁獲物に付加価値をつけて販売することで、魚価・漁家経営の安定を図ることを目的とした。店内は清潔で明るく、チリメン・イカナゴのくぎ煮・のり・焼きアナゴ等が販売された(拓水523号)。

2002(平成14)年10月発行の拓水552号に、JF全漁連が同年6月から運用を開始したインターネットモール「JF魚市場」が紹介された。「JF魚市場」のコンセプトは、①日本の水産物を消費者に広くアピールするため生産者から情報を発信する、②資源管理の重要性を一般国民へアピールする、③消費者に安心で安全な国産の水産物を直接販売する、であった。同市場への出店は、漁協系統ネットワーク「JF-NET」に参加する漁協・漁連に限られた。

2006(平成17)年4月、尼崎市の「つかしんタウン」内に、JF兵庫漁連の直売所「浜のおかず屋」つかしん店がオープンした。約56㎡の敷地に、鮮魚・刺身・総菜・弁当・のり・珍味など、こだわりの商品をそろえた(拓水596号)。

2007(平成19)年2月発行の拓水604号の「ウチの漁協!」で、1995(平成7)年3月に姫路市妻鹿漁港にオープンした、JF坊勢「とれとれ直売所」が紹介された。オープン当初はイカナゴの生売りのみを行っていたが、「新鮮なイカナゴが手に入る」と大勢の客が訪れるようになり、他の魚や加工品も販売するようになった。イカナゴシーズン中の直売所前の長い行列は、妻鹿漁港の風物詩となった。

2007年(平成19)年4月発行の拓水606号の「JF直売所紹介」で、1993(平成5)年にオープンした、JF但馬・香住町の「遊魚館」とJF但馬・柴山港の「かに一番館」が紹介された。「遊魚館」では松葉ガニ、香住ガニ(ベニズワイガニ)はもちろん、生のニギスやドギ(ノロゲンゲ)、ノドグロなども入荷した。「かに一番館」は冬場の松葉ガニ、夏の白イカなどを販売した。

2008年(平成20)年4月発行の拓水618号に、JF兵庫漁連の直売所「浜のおかず屋」つかしん店が店舗形態を変えた、と紹介された。販売コストを下げ、競争力を増すために、固定店舗から直販プロジェクトチームによる移動販売に変更された。

2016(平成28)年4月、「漁連の魚屋とれぴちひょうご」がJA兵庫六甲パスカルさんだ一番館内にグランドオープンした。式典では、県漁連会長が「消費者に本当においしいものを届けることが、食料供給産業の責任である。JAとJFがタッグを組めば、それが可能になる」と述べた(拓水715号)。

漁連の魚屋三田店オープン
▲漁連の魚屋三田店オープン

2021(令和3年)10月、アリオ加古川の全館リニューアルオープンに伴い、JF兵庫漁連の「漁連の魚屋加古川店」が新規出店した。コンセプトは「魚を大好きになってもらえる場所を提供します」であった。店内では、コンテナケースで鮮魚を販売するなど高鮮度と活気をアピールし、照明にはイカ釣り用の集魚灯を吊り下げて、漁業現場を再現した(拓水780号)。

関連ページ

top