検索
メニュー

トピックス検索(漁業のあゆみ) topics

(21)イカナゴくぎ煮教室

1993(平成5)年3月~4月、兵庫県漁連播磨支所は姫路市内26ヵ所で、一般消費者1,500名を対象に、「イカナゴ料理教室」を開催した。毎年イカナゴ漁が解禁になると、垂水や明石の鮮魚店には新鮮なイカナゴが並び、周辺の家庭からはくぎ煮の香りが漂う。しかし、1993年当時の姫路市周辺の家庭では「くぎ煮」は炊かれていなかった。このため、同支所では旬が味わえて栄養豊富なくぎ煮を、姫路市周辺の消費者にも知ってもらうことを目的に「イカナゴ料理教室」の開催を計画した。この料理教室の開催案内が新聞に掲載されると、同支所の電話は連日鳴りっぱなし状態となり、1週間たらずで予定の950名を超える1,500名から申し込みがあった。

料理教室の講師には、新鮮なイカナゴを提供した坊勢漁協・家島漁協の組合員と、県漁連の魚食普及スタッフが当った。参加者は、くぎ煮づくりを体験したほか、講師が調理した釜揚げや唐揚げなども試食した。参加者からは、「くぎ煮がこんなに簡単にできるとは思わなかった」「今度は家で炊いてみます」などの感想が寄せられた(拓水438号)。

1997(平成9)年5月発行の拓水487号に、5年目を迎えた兵庫県漁連播磨支所の「イカナゴのくぎ煮教室」の模様が紹介された。それによると、県漁連のくぎ煮教室は毎年3月に、姫路地区を中心に東は明石市から西は赤穂市の範囲で開催し、好評を得てきた。くぎ煮はシンコと呼ばれる全長3~5㎝の幼魚を佃煮風に炊いたもので、神戸市~明石市を中心に炊かれてきたものである。兵庫県漁連の5年間にわたるくぎ煮教室の他にも、各地で漁協婦人部や各種団体が料理教室を開催したことと、流通網が整備され、新鮮なイカナゴが広い範囲で手に入るようになったことで、県下各地に普及した。また、手作りのくぎ煮を全国の親戚・知人に贈ることで、日本中に知られるようになった。

イカナゴ調理実習
▲イカナゴ調理実習

兵庫県漁連では、毎年3月にイカナゴのくぎ煮教室を開催しており、1993(平成5)年に始まったこの事業は、1999(平成11)年に7年目を迎えた。前年には、主にコープこうべからの依頼を受けて、くぎ煮教室を6回開催したが、これまでの料理教室などを通じて、くぎ煮が各家庭に浸透・定着したためか、本年は1回のみの開催となった(拓水511号)。

2002(平成14)年2月、県下船びき網漁業団体主催の「イカナゴ謝恩祭」が神戸市垂水区のマリンピア神戸「さかなの学校」前で開催された。謝恩祭では、シンコ1㎏を先着1,000名に無料配布したり、神戸市漁協婦人部によるイカナゴ料理の実演試食会が行われた(拓水545号)。

2005(平成17)年4月発行の拓水582号に、この年にイカナゴ謝恩実行委員会が開催したイベントが紹介された。解禁日を知らせるポスター、チラシ、イカナゴ料理の紹介ビデオ、リーフレットなどを、県下の主要イカナゴ販売店舗500店に配布した。また、中学生を対象にしたくぎ煮料理教室を、神戸市内で延べ8回実施して、261名の中学生が参加したほか、神戸市漁協婦人部とともに小学生の親子10組を対象に、くぎ煮教室を開催した。

2006(平成18)年4月発行の拓水594号には、兵庫県イカナゴ謝恩実行委員会が開催したイベントが紹介された。イカナゴを販売する店舗を、イカナゴの着ぐるみ「新平くんと新子ちゃん」が巡回して、子供たちの注目を集めた。また、神戸市内の中学生を対象に延べ6回のくぎ煮教室を開催し、320名が参加した。

2008年に兵庫県イカナゴ謝恩実行委員会は、解禁日を周知するポスターを配布、イメージキャラクターの着ぐるみ「新平くんと新子ちゃん」が店頭で春を届けた。また、料理方法のDVDやリーフレットを店頭に設置、ラジオ関西の「新鮮イカナゴ速報」やJF兵庫漁連HPで、イカナゴの漁模様のタイムリーな情報発信を行った。くぎ煮料理教室は、県内8校の中学生880名を対象に実施した(拓水618号)。

2009年4月発行の拓水630号に、この年に兵庫県イカナゴ謝恩実行委員会が実施したイベントが紹介された。くぎ煮教室は、県内の中学校3校で開催し、15クラス550名が参加した。また、一般消費者を対象にしたくぎ煮教室を3回開催し、56名が参加した(拓水630号)。

中学生がイカナゴ調理実習
▲中学生がイカナゴ調理実習

関連ページ

top